『西の魔女が死んだ梨木香歩作品集』(梨木香歩)について
この本は、『西の魔女が死んだ』の初版発行が1994年、それから23年経って書かれた「かまどに小枝を」を含む、表題作とそれにまつわる短編3作の作品集です。
- 西の魔女が死んだ
- ブラッキーの話
- 冬の午後
- かまどに小枝を
『西の魔女が死んだ』は映画にもなり、2008年6月に全国一斉ロードショーされましたので、知っている人も多いと思います。受験でも、『西の魔女が死んだ』は中学受験、高校受験も含めてすでにかなり出題されました。ですが、おそらくこの作品集発行に伴って2018年度に、実践女子学園中学校の国語の入試問題で、この作品集の短編から「冬の午後」が出題されました。
『西の魔女が死んだ』は、中学に入って学校に行かなくなったまいが母方の祖母の住む山の家で祖母とともに暮らす1ヶ月間を描いたお話です。祖母はイギリス人で、日本に長いので日本語は上手ですが、まいにはいつも丁寧に諭したように話しかけます。まいは感受性豊かな女の子で、おばあちゃんと自然の中で色々なことを教わりながら暮らします。
この作品集の3作も素敵な短編で、『西の魔女が死んだ』の世界観が広がり、まいとおばあちゃんの関係を奥深く知ることができます。
短編の方が、表題作よりちょっと難しいです。特に「かまどに小枝を」はまいは登場せず、まいが帰った後のおばあちゃんの目線で書かれています。これは大人向けです。
これ以外は、小学生でも読める作品なので、ぜひ手に取ってみてください。
『西の魔女が死んだ梨木香歩作品集』が中学受験で出題された学校
2018年度第1回実践女子学園中学校の国語の入試問題で出題されました。
2018年度第1回実践女子学園中学校の国語の入試問題
大問1番で、「冬の午後」全文が出題されました。まいがまだ小学6年生だったときに、おばあちゃんの家に泊まりがけで遊びに行ったときの話です。単行本で約15ページ分です。文章読解の問題はこの「冬の午後」からのみです。大問2番は漢字の読み書き、大問3番は慣用句、四字熟語、短文作成でした。
大問1番の設問形式は、適語補充1問、抜き出しが5問、4択の記号選択問題が6問、5択から2択選択問題が1問、字数制限つき記述問題が1問、自由記述問題が1問で、全部で15問(問5が2問)でした。