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『ストロベリー・ブルー』(香坂直)について
この本は、
- キャッチ・ザ・サン
- ロスト・パラダイス
- ペテルギウスの情熱
- 二月のプランクトン
- ストロベリー・ブルー
の5編からなる連作短編集です。1つ1つのお話は独立していて、主人公は違いますが、中学2年の五人の男女が登場人物となっています。
すれ違いや片思いを描いた切ない恋物語なので、ちょっと小学生には早い?かなと思います。また、香坂直さんの表現がとても独特なので、そういう意味で小学生には「???」と思う箇所も多いでしょう。出題された富士見中の問題のように、まだ恋愛モードになる前の部分は中学生の日常生活が描かれているので、興味深く読めると思います。
この本は、中学生の女の子にオススメです。
『ストロベリー・ブルー』が中学受験で出題された学校
2014年度第1回富士見中学校、2015年度第2回中央大学附属横浜中学校の国語の入試問題で出題されました。
2014年度第1回富士見中学校の国語の入試問題
大問2番で「二月のプランクトン」から前半の1章と中略あって2章から約8.5ページ分出題されました。大問1番は論説文で、大問2番までですが、この大問2番の方が記述の問題が多く出題されています。
大問2番の設問形式は、漢字1問、語句の適語補充1問、語句の意味1問、語句の意味字数制限つき記述問題1問、抜き出しが3問、字数制限つき記述問題が3問、全部で10問でした。
「三田村大介は、いちばん無駄なくサクサク教えてくれそうという理由で、綿森美月に数学を教えてくれるように頼み、お昼休みに理科準備室で勉強するようになる。」という場面が出題されています。出題された部分はまだ恋愛モードになっていないため、恋物語という感じはしない部分でした。
富士見中学校の国語の出題傾向
富士見中学校の国語の入試問題は、ここ数年説明的文章が1題、物語的文章が1題の構成になっています。物語的文章の方が若干設問数が多いです。
設問形式は、漢字、4択の記号選択、適語補充、語句の意味、抜き出し、35〜70字くらいの記述問題が3,4問とバランスよく出題されています。
2015年度第2回中央大学附属横浜中学校の国語の入試問題
大問2番で「キャッチ・ザ・サン」から改変されて出題されました。大問1番は論説文で、大問2番まででした。
大問2番の設問形式は、漢字が1問、文法が1問、5択の記号選択問題が5問、抜き出しが1問、字数制限つき記述問題が1問、問5が2問で、全部で問8まででした。
「中2の理子には、中3の水上雅史という彼氏がいる。理子の教室に、理子の文芸部の先輩から預かったものを持って雅史君が来る。教室を出て雅史君と話をしていると、理子は友だちの琴海が恋している姿を見て、自分の雅史君への気持ちは本物ではないことに気づいていたので、そのことをそのまま言ってしまう」という場面が出題されました。
中央大学附属横浜中学校の国語の出題傾向
中央大学附属横浜中学校の国語の入試問題は、ここ数年説明的文章が1題、物語文的文章が1題の構成になっています。設問数はどちらもそれほど変わりませんが、物語文的文章がかなり長く出題されています。
2018年度までは5択の記号選択問題でしたが、2019年度は4択の記号選択問題で出題されました。記述式は30〜50字程度の記述問題が2問くらい出題されているだけで、他は抜き出しや選択問題です。
試験時間は50分で、設問数は説明的文章も物語的文章も9問前後ですが、物語的文章が長いので、全体でボリュームがあります。読むスピードは必要です。普段から文章を読むことが苦でなく、スラスラと読めるようにしておきたいところです。