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中学受験 国語対策に読んでおきたいおすすめの小説7冊!(中級編)について
本を読むことにだいぶ慣れていて、おもしろい本をどんどん読んでいきたい!という意欲ある小学生向きの本を紹介します。
ここにあげた本全て、実際の中学受験の国語の入試問題に出題されたものばかりです。これからもまだ出題可能性はあると思いますが、それ以上に、本当に読んで楽しい、読んで良かったと思える本です。
中学受験は、算数・国語・社会・理科とやらなければならないことが多くて、なかなか本を読む時間がないと思いますが、本の世界に入るのが息抜きになる子もいます。そういう生徒さんに、ぜひ読んでもらいたい本です。
また、時間がないからこそ、手に取る本はいい作品を選んでほしいです。少し読解力がついてきた生徒さんは、少しでも良書を手にとって、そばに置いて、読書量を増やしていってもらいたいです。夏休みの読書感想文で何か読まなければならないときなど、読書するならこれらの本をぜひ手にとってみてください。
このくらいの本が楽しめてスラスラ読めれば、中学受験の国語の入試問題の長い文も辛くなく読めるようになるでしょう。
※1つ1つの作品は、「中学受験で出題された本」カテゴリーにもう少し詳しく書いていますが、ここでは、特に、読んでもらいたい本をあげてみました。
中学受験 国語対策に読んでおきたいおすすめの小説7冊(中級編)
『あと少し、もう少し』瀬尾まいこ
中学駅伝大会に出場する6人の男子中学生を描いたお話です。陸上部部長の桝井を中2まで育ててくれた陸上部顧問も他校へ異動となってしまい、代わりにきた先生は陸上を全く知らない女の先生でした。陸上部から駅伝に参加するメンバーは3人だけ。残りの3人を桝井がじっくり声をかけて集めます。そして、6人で大会に出場するまで、読んでいるうちに自分も出場するような気分で、熱くなってしまいます。夢中で最後まで読んでしまう1冊です。男の子はぜひ、女の子にもたくさんの小中学生に読んでもらいたいです。

『よろこびの歌』宮下奈都
女子高校生たちが、それぞれの悩みや挫折を抱えながら、お互いに影響を与えあい、クラスで1曲の歌を作り上げていくお話です。主人公は、有名バイオリニストの娘。ですが、音楽を学べる高校に合格できず、普通の女子高に入学します。この普通の女子高で出会った仲間たちが様々な思いを抱えながら、歌を歌い上げることで、クラス一体となっていきます。高校生なので小学生からするとちょっと遠い存在ですが、明るく楽しい作品なので、高校になったらこんなふうになるのかなと想像したり、こんなふうに悩むのかなと思いながら、読めるでしょう。女の子におすすめです。

『時速47メートルの疾走』吉野万里子
中学生の男子3人、女子1人が語り手となっています。女子の部分が若干難しめです。男子3人は、1人は優等生、1人はガキ大将キャラ、もう1人は目立たない系、とキャラの違う登場人物たちです。優等生もガキ大将もいいですが、目立たない系の男子が意外とすごいです。この4人が体育祭後の罰ゲームまでを語り、楽しい作品となっています。どちらかというと、男の子向けです。

『サクラ咲く』辻村深月
この本は、3編からなる作品集です。最初の2編が中学生が主人公(1作目が男の子、2作目が女の子)で、最後の1編が高校生が主人公です。最後の1編だけちょっと難しいです。最初の1編は、タイムスリップものなのですが、だからといって、ファンタジックではなく、本当に起こりえそうな中学生の日常を描いています。2編めはちょっとしたミステリーチックな部分もあり、また恋愛なども盛り込まれていてとても楽しい作品です。
どちらも成長していく中学生のお話ですので、とても読みやすく、多くの小学生〜中学生に読んでもらいたい本です。

『一人っ子同盟』重松清
小学6年生の男の子が主人公で、同じ団地の女の子も出てきます。小学生が登場人物な割には、少し難しめで、あまり明るくて楽しいというお話ではありません。でも、こういうじんわりしんみり心に沁みる作品も読んでもらいたいです。男の子が優しくて、女の子が強いです。この2人のコンビがなかなか最強で、ちょっと厄介な年下の男の子も出てきて、事件を対処していきます。

『屋上のウインドノーツ』額賀澪
高校の吹奏楽部の部活動を描いた小説です。高校の部活は、コンクールに出場したり、中学よりもより本格的になってくるので、小学生にはまたちょっと遠い世界かもしれません。主人公の女の子は幼少期からの友だちと関係がうまくいかなくなったり、吹奏楽部部長は、中学のときに吹奏楽部部長として失敗の経験があり、それぞれが悩みと挫折をどのように乗り越えていくかというところも小学生にはちょっと難しめかもしれません。
ですが、テンポ良く楽しく清々しい作品です。読解力がついてきた小学生なら楽しく読むことができるでしょう。

『Masato』岩城けい
岩城けいさんは在郷20年以上の作家で、この「Masato」は父のオーストラリア転勤でオーストラリアの公立の小学校5年生に転校した安藤真人が、現地の小学校を卒業するまでのお話です。いきなり、オーストラリアの小学校に転校になって、英語もわからず苦労する真人。だけど、だんだん友達もできて英語もしゃべれるようになって、自分の居場所を見つけていきます。オーストラリアの小学校がどんな感じなのか、海外転勤で家族はどうなっていくのか、在郷20年以上の作家さんならではの目線で書かれているので、楽しめます。
特に、男の子には、共感できる部分がたくさんあると思いますが、女の子でも楽しめます。

