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中学受験の夏休みはどのように過ごせばいいでしょうか。
小6の夏休み、中学受験するご家庭では、
- 塾の夏期講習に参加するべきでしょうか。
- 勉強時間はどのくらい取るべきでしょうか。
- 旅行には行ってもいいのでしょうか。
などなど、いろいろ悩んでいらっしゃると思います。
家庭教師の立場で、「旅行が多すぎます」などと注意することはできませんでしたが、やはり、旅行が多すぎるご家庭は2学期以降も伸び悩み、なかなかうまくいかないのも実際に見てきました。
もちろん、お子さんの実力次第で対応は違いますし、さまざまなので、一概にこうすべきということは言えません。
ですが、注意してほしい点はありますので、順をおって説明していきます。
塾の夏期講習に参加するべきか?
たいていのご家庭は、塾の夏期講習に参加するつもりでいると思います。
ですが、まず知ってほしいことは、
塾は成績が上位のお子さんしか大事ではない
ということです。
塾の合格率に貢献してくれる、御三家、御三家と同等レベルの中学校に合格してくれる生徒が大事なのです。(なので、そのレベルがあるお子さんはどんどん塾を利用して、塾の先生に質問しましょう)
私がある大手の塾に勤めていたころ、夏期講習に参加しないと言うご家庭に、電話して参加しなければあとでついていけなくなることを説明し、参加するよう促すように強要されました。ほぼ脅して、参加させろということです。塾は校舎ごとに、参加人数、参加率を競っていて、参加率100%にしないとならないようです。(その塾はすぐに退職しましたが)
お子さんのレベルと塾のレベルが合っているか確認
だから、ここでご両親に考えてほしいことは、
お子さんが塾のレベルと合っているかということです。
塾のレベルと合っているなら、塾を利用してどんどんやらせることができれば、こちらにとっても塾に利用価値があるので、問題ないです。
塾のレベルと合っていない場合が問題です。
- もう少し丁寧に一つずつ進めてもらわないと理解できていない
- 宿題を出されても、帰ってきて自分で解けない
というときは、夏期講習参加を見合わせてもいいと思います。
夏期講習に参加しない分を家庭教師の先生に見てもらった方がずっと効率的です。
勉強を進める基本は、
塾でも家庭教師でもとにかく教わったら、その宿題を自分で解けるということが大事です。
自分で解けないレベルをやっていても、何も進歩していきません。
お母さん都合の目線で考えると、塾の夏期講習は時間も長く、お弁当1つ作っておけばずっといなくなってくれて楽と思うかもしれません。
塾が合っていれば、お母さん都合も子どもの勉強も一石二鳥ですみますが、その子のレベルに合っていないと、お母さんが楽した分は、2学期以降の成績に全部反映されてしまいます。
塾に執拗に参加を求めるように言われると断れないということもあるかもしれませんが、とにかく、まず、自分の子どものレベルが合っているかをよく確認して考えてください。
大事な夏休みが無駄にならないように考えましょう。
塾の夏期講習を利用しながら、家庭教師や家でご両親が見る方法
また、経済的に余裕があるなら、塾の夏期講習は参加で費用を払っておいて、ついていくことができている科目だけ参加するというのもありです。
例えば、
- 社会理科と国語(または算数)は参加にして、算数(または国語)だけ早退させたり、遅刻したりして家で家庭教師の先生(またはご両親)
- 社会理科だけ塾で、算数国語は家庭教師の先生(またはご両親)
などということもできるはずです。塾での友だち関係などを考えて、なかなか早退したり遅刻したりできないなど、いろいろあるとは思いますが、実はこの方法は、勉強効率はとてもいいです。
実際に生徒さんにこの方法を取ってもらった経験があり、塾に追いついてきた段階で参加させました。

勉強時間はどのくらい取るべきか?
そのお子さんのレベルや、第一志望とする学校とのレベルの開き具合にもよるので、何時間やればOKというものはないでしょう。
塾の夏期講習に参加する場合
講習でやったことはきちっとマスターできるように最大限利用しましょう。そのまま放っておくと無駄になってしまいます。
夏期講習に参加しているなら、宿題は必ずやるようにする、それもある程度は自分でできるかどうか確認してください。
もしも、自分でできないものばかりなら、授業がわかっていないということになるので、行ってる意味ないです。→別の手段を考え直してください。
夏期講習プラス宿題をするのが1日の勉強時間せいいっぱいではないかと思います。
夏期講習の合間の休みの日で、それまででわからなかったところを、総復習するようにしましょう。これをやらないと無駄になってしまいます。
そうなると、講習期間中の合間の休みで遠出の外出はしないほうがいいでしょう。息抜きに半日遊んでも、残り半日は復習に時間を当ててください。
塾の夏期講習に参加しない場合
時間がたくさんあると思いますので、家庭教師の先生とプランを作って、先生が来ない時間に何をすればいいか、よく確認するようにしてください。
苦手なところを重点的にやってもらって、少しでも苦手が減るようにしましょう。
また、塾に行かない場合、これは必ずやってほしいです。
漢字や計算、歴史年表暗記など、知識系のトレーニングを毎日必ず少しずつ行うように計画を立てておきましょう。
時間的には何時間とお答えするのは、個人差がありすぎるので難しいですが、5時間くらい集中してできる時間を分けて取れれば、いい方ではないでしょうか。
夏期講習はもっと長いと思われるかもしれませんが、生徒さんみんなその時間ずっと集中できているわけではありませんので。
夏期講習に行っていない分メリハリをつけて、勉強の時間は集中して、それ以外で少し運動したり、遊んだり、気晴らしの時間も作れると、煮詰まらなくていいでしょう。
ここで、大事なのは、どれだけ集中して勉強できたかです。
「塾に行っていれば安心。1日8時間も勉強してるから」と思うのは、浅はかです。たいていのお子さんは、塾で勉強している時間の半分くらいしか集中できていないと考えた方が無難です。
旅行は行ってもいいか?

イラストACきのこさん
もちろん、ご家庭の判断次第です。
ですが、塾の合間の休みを全て外出に当てているようなご家庭ですと、成功は遠いでしょう。
塾を信用しているのか、塾さえ行っていれば大丈夫、塾が休みの日は遊んで大丈夫と思っているのは大きな間違いです。
前述したように、塾では半分くらいしかやっていないと考え、休みの日は、できなかった部分の復習に当てていかなければ、2学期の模試づくしの日程に全くついていけなくなります。
私の感覚的には、2泊3日の旅行1回が限界ではないかなと思います。
まとめ
本当にいろいろなご家庭を見てきたのでそれぞれで、一概には言えないことを、あえて書いてみました。
ポイントは、
- 塾でできなかった部分は必ず復習する。
- 自分で勉強できた、自分で解けた、という時間を増やしていく
ことです。
夏期講習に行っても行かなくても、集中して勉強できた時間は必ず実ります。
そういう時間をどうすれば増やせるか、という視点で考えてみてください。