2019年7月に参議院選挙が行われましたので、中学入試の社会の問題で問われる参議院選挙について、知っておくべきことをまとめました。
2016年7月に参議院議員選挙が行われたときも、2017年度の中学入試で参院選について問う問題が様々な学校でたくさん出題されました。
最後に一問一答式で確認できるようにしていますので、おおよそわかっていらっしゃる生徒さんは一問一答に飛んで、確認してみてください。
Contents
中学受験 社会 参議院議員選挙の基本

参議院とは?
二院制・・・慎重に審議を行うために、衆議院と参議院の2つの議会からなります。
衆議院議員の任期は4年で解散があるため、国民の意思が反映されやすくなっています。
参議院議員は任期6年で、解散もないため、衆議院の行き過ぎを抑える働きがあります。
参議院議員選挙とは?
参議院議員選挙は、3年ごとに議席の半数を選びなおします。
参議院選挙は、衆議院選挙と同じように選挙区選挙と比例代表選挙と2種類ありますが、内容は異なります。
今回(2019年7月の選挙)の議席数は選挙区選挙で74議席、比例代表選挙で50議席で、全部で改選124議席となります。
選挙区
衆議院選挙・・・全国289区に細分化
参議院選挙・・・おおよそ都道府県ごとに45選挙区→1選挙区につき1〜6人選ぶ
「合区」・・・一票の格差を是正するために、隣り同士の選挙区を1つの選挙区とする
→鳥取県と島根県、高知県と徳島県が1つの選挙区に
比例区
衆議院選挙・・・全国11ブロック→政党名で投票
参議院選挙・・・全国区のみ→政党名、候補者名のどちらかを投票
2019年7月参院選結果
与党(自由民主党・公明党)が改選議席124議席の過半数を上回る71議席を獲得することができ、勝利しました。
野党(立憲民主党・国民民主党・日本共産党など)は全国の1人区32で候補者を1本化してのぞみ、10議席を獲得したため、一定の成果はあげました。
与党・・・政権を担っている政党。→自由民主党・公明党
野党・・・それ以外の政党→立憲民主党・国民民主党・日本共産党など
入試問題ではどのように出題されているか?

2017年度第1回中央大学附属横浜中学校の社会の入試問題
大問3番で、参議院選挙の話題から憲法改正、内閣や裁判所までの内容が出題されました。
先生と生徒の会話文が出題され、先生が「2016年に参議院議員通常選挙が行われた」ということを話し、それについて会話が発展していく文章に、ところどころ下線が引かれ、下線部について問いがあるという形です。
問いでは、参議院や選挙について説明した文について正しいものやあてはまらないものなど4択の記号選択で選択する形となっています。
2017年度攻玉社中学校の社会の入試問題
大問1番の問5で、「2016年に参議院議員選挙が行われた」という内容で始まり、任期や議員数など数字を入れ、その合計を答える問題が出題されました。
2017年度第2回吉祥女子中学校の社会の入試問題
大問3番で、国民が政治に参加するという内容の文章が出題され、その中に「2016年に参議院議員選挙が行われた」というところがあり、下線部が引かれ、問いになっています。
問いは、AとBの文の正誤の組み合わせを選ぶものでしたが、2016年の参議院議員選挙の結果について取り上げられていました。
2017年度第1回品川女子学院中学校の社会の入試問題
大問3番で、2015年6月の新聞を読んだ2人の会話文が出題され、その中に若い世代の投票率を上げる方法について述べられ、投票率を上げる試みを記述する問題が出題されました。
国や地方自治体が行なっている投票率を上げる方法は、投票時間や投票期間の延長です。
2017年度日本大学中学校C日程の社会の入試問題
大問2番で、2016年の上半期におきた出来事の表があり、参議院議員選挙について2問出題されました。
選挙で選出された参議院議員の人数を問う問題と、期日前投票を答えさせる問題でした。
2017年度大妻中学校の社会の入試問題
大問3番で、2016年7月に行われた参議院選挙は満18歳になった人が初めて投票を行うことができた国政選挙であったため、なんの法律の改正でそうなったのかという問題と、隣りあった県を1つの選挙区とすることを何というか問う問題が出題されました。
・公職選挙法の改正により、満18歳以上に選挙権が与えられた
・一票の格差を是正するため、合区が導入
2019年度高輪中学校の社会の入試問題
大問3番で、日本の政治の話があり、「1994年に衆議院の選挙制度として、小選挙区比例代表並立制が始まった」という内容で、小選挙区制と大選挙区制の違い、比例代表選挙についての記号選択問題がありました。
2019年度攻玉社中学校の社会の入試問題
大問1番で、「2018年に参議院の定数に関する法律が改正され」たことについて、増加した定数を答える問題が出題されました。
2018年に参議院の定数に関する法律が改正され、2019年と2022年に行われる参議院議員選挙で増加することに決まった定数は6名です。
参議院選挙に関する問題一問一答チェック!

上記の過去問を参考に一問一答チェック問題を作成しました。
参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選される。
答え ○
参議院議員の被選挙権は25歳以上である。
答え ✖️
25歳以上ではなく、30歳以上になります。衆議院議員の被選挙権は25歳以上です。
参議院議員選挙では、小選挙区と比例代表を組み合わせた小選挙区比例代表並立制である。
答え ✖️
小選挙区比例代表並立制は衆議院議員選挙です。
参議院議員選挙は、おおよそ都道府県45の選挙区選挙と全国区で行われる比例代表選挙によって選出されます。
参議院議員選挙の比例代表選挙では、候補者名ではなく政党名を書いて投票する。
答え ✖️
参議院議員比例代表選挙では、候補者名か政党名のどちらかを書いて投票します。
衆議院議員の比例代表選挙では、政党名を書いて投票します。
2019年7月の参議院議員選挙では、与党が過半数の議席を獲得した。
答え ○
与党が、71議席を獲得しました。
2019年7月の参議院議員選挙の際に、与党であった政党を2つ書きなさい。
答え 自由民主党と公明党
投票日に投票所へ行けない場合、投票日より前に投票することができる制度を漢字5文字で書きなさい。
答え 期日前投票
一票の格差を是正するために、隣りあった選挙区を1つの選挙区とすることを何と言いますか。
答え 合区
3年ごとに議席の半数を選び直すのはなぜですか。
答え 衆議院には解散があり、解散になると総選挙が行われるので、国会が全員不在にならないようにするため。
投票率を上げる試みとして国や地方自治体が取り組んでいることをあげなさい。
答え 期日前投票などで投票期間を長くし、投票時間を延長する。