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『四姉妹』(中川なをみ)について
この本は、小峰書店の「文学の森」というシリーズから出版されていますが、児童書のようです。
字も大きめでとても読みやすいので、小学生向きの本といえるでしょう。
2003年に初版が発行されていますので、中学受験では少し古めの本です。装丁や挿絵も古い感じがします。
なので、お話全体も少し前の時代の小学生のイメージです。ですが、四姉妹、四人四様で、お母さんがちょっと面白くて、素朴な温かさを感じる小説です。
一番上の長女あかねは中学1年生、二女きなりは小学6年生、三女るりは小学4年生、四女もえぎは小学1年生、それからジョンという犬も大事な存在です。
長女あかねにはちょっと恋の話もあり、二女きなりは一人で諏訪のおじいちゃんのところまで行き、三女るりはおとなしくて優しいけど芯が強くて、四女もえぎは小学1年生の入学式にとそれぞれが描かれています。
2015年度のカリタス女子中で出題された場面が、まさに柏木家の子どもたちの最大関心事のようで、お年玉の一部を母親に取られてしまう、これをなんとか、来年までに打開しようと奮闘します。
『四姉妹』が中学受験で出題された学校
2018年度第1回和洋国府台女子中学校、2015年度第2回カリタス女子中学校の国語の入試問題で出題されました。
2015年度第2回カリタス女子中学校の国語の入試問題
大問2番で、「第2章 お年玉にもかかる税金」から、単行本で約11ページ分出題されました。柏木家のお正月にはいろいろ決まりごとがあり、特に子どもたちを最も悩ませているのは、もらったお年玉の何パーセントかを、母親に税金として払わなければならないというきまりです。このお正月の場面が出題されました。
大問1番は説明文で、大問2番まででした。
この大問2番の設問形式は、漢字が1問、適語補充が1問、4択の記号選択が1問、5択の記号選択が2問、自由記述問題が3問で全部で8問でした。
※カリタス女子中学校の国語の入試問題の出題傾向について、以下の記事で書いています。参考にしてください。

2018年度第1回和洋国府台女子中学校の国語の入試問題
大問1番で「第5章 二女、きなりのたくらみ」からリード文あり、単行本で約10ページ分出題されました。夏休みに、小学6年生の二女のきなりが大阪から諏訪のおじいちゃんのところまで一人で行く場面です。
大問2番は論説文、大問3番は3字熟語、敬語、俳句、大問4番は漢字で、大問4番まででした。
この大問1番の出題形式は、適語補充が1問、語句の意味が1問、4択の記号選択が7問、25字の記述が1問、40字の記述が1問、自由記述問題が1問で全部で12問でした。
和洋国府台女子中学校の国語の出題傾向
和洋国府台女子中学校の国語の入試問題は、2016年度まで物語的文章1題、説明的文章1題、詩が1題、漢字が1題の構成でしたが、2017年度から物語的文章1題と説明的文章1題の三字四字熟語、慣用句・ことわざ、敬語、俳句などが1題と漢字が1題の構成になり、文章題の文章が少し長くなりました。
問題量が多く、長文も読めて記述問題も書き、知識問題も解けないとならないため、偏差値的にそれほど高い学校ではありませんが、問題は簡単とは言えないでしょう。しっかり過去問で練習をこなしておかないと、時間切れで解けなくなってしまいそうです。