中学受験で出題された本と国語・社会入試対策
中学受験で出題された本やその本の小学生にとっての読みやすさ、国語の入試問題の内容について、国語入試対策を、また社会の時事問題対策を紹介します。
中学受験で出題された本

『家族シアター』(辻村深月)は麻布中と洗足学園中で出題されました!国語の入試問題の内容、あらすじ(一部)を紹介!

『家族シアター』(辻村深月)について

この本は、

  • 「妹」という祝福
  • サイリウム
  • 私のディアマンテ
  • タイムカプセルの八年
  • 1992年の秋空
  • 孫と誕生会
  • タイム・マシンの永遠

7編からなる短編集です。

本の題名通り、どれも家族をテーマにした物語です。この中のどれか1つ2つは共感できる物語が誰にでもあるのではないでしょうか。

本当はこの本をおすすめしたいのは、お父さんお母さんです。親になってみて思うこと、感じることなど、私にはとても共感できました。

ですが、辻村深月さんの作品もここのところ、よく入試問題で見かけます。人間同士のいやな部分、それも微妙に暗い部分なんかもしっかり描かれているので、小学生にはちょっと難しいんじゃないかなと思います。部分的に、例えば、すでに出題された「1992年の秋空」だけなどを読んでみてもいいのではないでしょうか。

「妹」という祝福

語り手は大人になった妹。姉の結婚式で、姉からの手紙を見て愕然とし、中学時代に遡る。姉は成績優秀、勉強はできるが運動は苦手で、友だちは少なく、見た目も気にしない。妹は勉強はいまいちでも運動が得意で、おしゃれに気を使って、友だちに人気もある。妹はそんなダサい姉がいやで、家でもケンカばかり。だけど…

サイリウム

語り手は大学生の弟。ビジュアル系バンドにはまってる姉とアイドルにはまってる弟はお互いに相手の趣味が理解できない。けれど…

私のディアマンテ

語り手は母親。高卒の母親は大学卒の夫と結婚して、高校生の娘が一人。その娘は勉強がとてもよくできる子だったが、仲の良い母娘ではなかった。母は娘が何に悩んでいるのかわからず、ただ心配するばかり。しかし…

タイムカプセルの八年

語り手は大学教授の父親。小学6年生の息子がいて、親父の会になど入りたくないのに、入らされてしまう。息子たちも親も熱血な担任の先生と楽しい6年生生活を送るが、卒業の時にタイムカプセルを埋めることになる。そのタイムカプセルが実は..

1992年の秋空

語り手は小学6年生の姉。妹は年子で宇宙や科学が大好きな小学5年生。姉はそんなちょっと変わった妹にイライラする。あるとき、妹の逆上がりの練習を姉は付き合うことになる。しかし、その後…

(このあとの詳しいあらすじを読みたい方は一番最後に。ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)

孫と誕生会

おじいちゃんが語り手。息子夫婦がアメリカから帰ってきて、一緒に暮らすことになる。息子夫婦には小学3年生の娘がいる。孫娘を心配するおじいちゃんと孫娘のお話。

タイム・マシンの永遠

赤ちゃんが生まれたばかりの若夫婦の夫が語り手。赤ちゃんはタイムマシンで未来からやってきた!?

私は特に「孫と誕生会」がお気に入りです。孫を心配するあまり、いろいろおせっかいをやいてしまうおじいちゃん。それをうるさがる孫娘。ちょっと笑えて、なんともほっこりさせられるお話でした。

ブロ子ちゃん
ブロ子ちゃん
「孫と誕生会」も読めると思います。読んでみて下さい。
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『家族シアター』が中学受験で出題された学校

2016年度麻布中学校2017年度第1回洗足学園中学校国語の入試問題で、「1992年の秋空」から出題されました。

この「1992年の秋空」だけが小学校6年生の女の子が語り手となっています。他の作品はどれも語り手が大人です。(『「妹」という祝福』は、懐古形式で中学時代を語っていますし、『サイリウム』は大学生ですが)

2016年度麻布中学校の国語の入試問題

2016年麻布中学校の国語の入試問題では、この「1992年の秋空」からのみの問題で223行分の本文が出題されています。漢字が4問、記号選択の問題が2問、それ以外は全て、「なぜですか。説明しなさい」のような自由記述の問題でした。

6年生になって生徒たちが書くことになった学級だより『銀河』が配られるシーンから、うみかが鉄棒から落ちる事件を通して、はるかに『銀河』を書く番が回ってきて、うみかから教わったエンデバーの打ち上げについて書くことにしたところまでが出題されています。

2017年度第1回洗足学園中学校の国語の入試問題

大問2番で、文庫で7ページ分が出題されました。大問1番は、説明文で、大問1番、2番共に問8まで50点ずつの配分です。

設問形式は、語句の問題が2問、行数指定の自由記述の問題が3問、脱文挿入が1問、空所補充が1問、4択の記号選択が1問でした。

「姉のはるかが妹のうみかの逆上がりの練習に付き合い、次の日も練習を付き合う約束をするが、次の日は友達との約束があって、付き合うことができなかった。それをうみかに言うことができないまま、友達の家に行ってしまうと、家に帰って、うみかが鉄棒から落ちたと聞かされる」という場面が出題されました。

※洗足学園中学校の国語の入試問題の出題傾向について、以下の記事で書いています。参考にしてください。

『グッドジョブガールズ』(草野たき)は洗足学園中で出題されました!国語の入試問題の内容・あらすじを紹介します! 『グッドジョブガールズ』(草野たき)について この本は、3人の女の子が、みんなでチアダンスを踊ることを通じ、悪友から本当の友だち...

「1992年の秋空」あらすじ(ネタバレ)

姉のはるかは小学6年生。妹うみかは小学5年生。学研の雑誌『科学』と『学習』が学校で購入でき、はるかは恋愛ものの絵がきれいな漫画が載ってる『学習』を、うみかは『科学』を購入している。うみかは特に宇宙が好きで、あまり周りを気にしない性格。はるかはそんなうみかにイライラさせられる。

ある日、はるかは学校でうみかも使う予定だったピアニカを借りてしまった罪悪感から、うみかの逆上がりの練習をつきあうことにする。少しコツがつかめたうみかは、次の日も練習をつきあってもらう約束をした。ところが、次の日は『なかよし』と『りぼん』の発売日で、はるかには友だちと交換して読む約束があった。はるかはうみかに練習に行けないことを言えず、そのまま友達の家に行ってしまう。そして、家に戻ると、おじいちゃんとおばあちゃんがいて、うみかは右腕を骨折して病院だと言うのだ。しかも、しばらく入院すると言う。はるかは病院でうみかに謝ることができなかったけれど、うみかはこっそり宇宙飛行士になりたいことをはるかに話す。でも、うみかは手術をしなければならなくなり、もしかしたら、宇宙飛行士になれなくなってしまうかもしれないのだ。

手術後、うみかの腕は思ったより良い状態になり、退院してまた学校へ行けるようになった。ギプスもはずれ、学校の体育の時間で、5年と6年が組んでストレッチをするときに、はるかは自分からうみかとペアにしてもらう。そして、やっと逆上がりの練習につきあう約束を破ったことを謝ることができたのだ。

ABOUT ME
ブロ子ちゃん
ブロ子ちゃん
プロ家庭教師として20年以上勤めています。国語の入試問題を読むと、ついつい続きが気になり、本を読んでしまいます。出題された学校の国語の問題傾向や、その本が小学生にとって読みやすいかどうかということも書いています。検索窓に学校名を入れていただけますと、出題された本のページが出てきますので、どうぞご利用下さい。この中で何か読みたい本や読めそうな本を見つけていただいたり、また、中学受験の対策について、何かこのブログからきっかけをつかんでいただけたら幸いです。 また、ココナラでオンライン授業を出品しています。よろしければ、ご活用いただければと思います。 https://coconala.com/services/1137503
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