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『卵の緒』(瀬尾まいこ)について
瀬尾まいこさんは、この『卵の緒』で2001年に、坊ちゃん文学賞大賞を受賞しています。その翌年に作家デビューしました。中学受験でもまだまだ出題されそうな作家さんです。
この本は、
- 卵の緒
- 7’s blood
の2作が載っています。
「卵の緒」の主人公育生は小学5年生です。のちに6年生、中学生となりますが。とっても優しい可愛い男の子が主人公なので、小学生でも十分読めると思います。ただ、最後に育生の出生の秘密が打ち明けられるところが少し難しいかなというくらいです。でも、本当はお母さんに読んでもらいたい本です。心揺さぶられ、心温まる作品です。
「7’s blood」は高校生の七子と小学生の七生、父親は同じだけど、母親が違う異母姉弟が一緒に暮らすことになるお話です。一緒に暮らすことになった理由そのものが切ないのですが、作品全体を通して優しい気持ちになれる作品です。ただ、小学生には少し難しいでしょう。
『卵の緒』が中学受験で出題された学校
2012年度第1回東京都市大学等々力中学校、2015年度第2回八雲学園中学校の国語の入試問題で出題されました。
2012年度東京都市大学等々力中学校の国語の入試問題
大問2番で『卵の緒』の第1章から中略あって文庫で8ページ分くらいが出題されました。大問1番は漢字の読みと書き、大問3番は論説文、大問4番が資料の読み取りです。
大問2番の設問形式は、抜き出しが3問、4択の記号選択問題が3問、脱文挿入が1問、字数制限つき記述問題が1問、文法問題が1問、適語補充問題が1問、の全部で10問でした。
「育生は父親のいない自分の家庭事情などから考えて自分は捨て子ではないかと疑っている。ある日、学校でへその緒について聞いて帰ってきて、うちにもへその緒があるかどうか確認しようとするが…」という場面が出題されました。
東京都市大学等々力中学校の国語の出題傾向
東京都市大学等々力中学校の国語の入試問題は、ここ数年漢字の読み書きが1題、物語文的文章が1題、説明文的文章が1題、資料の読み取りが1題の構成となっています。
資料の読み取りが独特で珍しい問題ではありますが、過去問を数年分練習すれば難しくないでしょう。
実際の試験では、1番の漢字をやった後に、4番の資料問題をすぐに解いてしまい、残りの時間で、2番、3番の物語文的文章と説明文的文章を解くのがいいでしょう。
設問形式も抜き出しや4択の記号選択問題がほとんどで、記述式の問題はないようです。
2015年度第2回八雲学園中学校の国語の入試問題
大問2番で『7’s blood』の第1章から文庫で約8.5ページ分が出題されました。大問1番は説明文、大問3番は品詞、主語述語、熟語の構成、助詞、ことわざ、漢字の読み、書き取りで、大問3番まででした。
この大問2番の設問形式は、慣用句が1問、適語補充が2問、語句の意味が1問、4択の記号選択問題が2問、抜き出しが2問、35字の記述問題が1問、自由記述問題が1問、で全部で10問でした。
※八雲学園中学校の国語の入試問題の出題傾向について、以下の記事で書いています。参考にしてください。
