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『ブリリアントなサルビアを』(髙森美由紀)について
このお話は、『そしてぼくらは仲間になった』という5人の作家が書いた5話の短編集のうちの1つです。
どれも3人の仲間の物語、どうして仲間になったのかが読んでみるとわかります。
・「夏のはぐれもの」小嶋陽太郎
・「ブリリアントなサルビアを」髙森美由紀
・「ドラゴン退治はスニーカーで!」福島直浩
・「生きもの仲間」虹山つるみ
・「子どもでも大人でも、男でも女でもない」向井湘吾
「ブリリアントなサルビアを」はこのうち、ハードカバーの本で約50ページ分の作品ですので、すぐに読めるでしょう。
小学5年生の女の子1人、男の子2人のお話です。「なんかいいね、こういう3人」って感じで、とても楽しく読めます。
まさに、小学生向きの本ですので、多くの小学生に読んでもらいたいです。
(詳しいあらすじを読みたい方は一番最後に。ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)
『ブリリアントなサルビアを』が中学受験で出題された学校
2020年度第2回洗足学園中学校の国語の入試問題で出題されました。
2020年度第2回洗足学園中学校の国語の入試問題
大問2番で、ハードカバーの本の約9ページ分が出題されました。
朝は遅刻ギリギリの登校、帰りはさっさと帰っていく国沢レイの姿を見て、秀明と壮介が何をやっているのか知りたくて後をつけに行く場面です。
大問1番は説明的文章で、大問2番まででした。
大問2番の設問形式は、4択の記号選択問題が3問、2行の自由記述問題が2問、55字の記述問題が1問、鳥類に関する成句5択5問、擬態語を挿入する問題が4択4問で、全部で8問でした。
※ 洗足学園中学校の国語の入試問題の出題傾向について、以下の記事で書いています。参考にしてください。

『ブリリアントなサルビアを』のあらすじ(ネタバレ)
小学5年生の秀明は保健係で、朝の会の後に、衛生チェックを行う。遅刻ギリギリで登校した国沢レイをチェックすると、ハンカチティッシュもなく爪も土がつまっていて汚れていた。それなのに、チェックを丸にするように秀明にせまってくる。秀明は毎朝遅刻してきて泥だらけのレイを不思議に思い、急いで帰るレイを葉山壮介と2人でつけていくことにする。すると、赤十字病院にたどり着いた。そこから出てくるレイが始めたのは、病院敷地外側の荒地の草むしりだった。そこに花を植えたいと言う。花が咲けば、病院で入院している人たちが見ることができ、慰められるだろうと。レイのお母さんは入院していたのだ。レイはお母さんに元気になってもらいたくて、考えたことだった。そこで、秀明と宗介も草むしりを手伝うことになる。それから、秀明は放課後レイの仕事を手伝うようになり、壮介も塾のない日は手伝うことができるようになる。赤いサルビアが文字になるように周りに桃色サルビアのタネをまき、水をまく。8月7日のお母さんの誕生日に満開になるように。なかなか芽が出なくて心配するが、ようやく芽が出、そして徐々に花も咲き始める。ところが、8月7日目前にして低気圧が近づき大雨となる。せっかく咲いた花を守るために、3人は必死で花壇の周りに杭を打って、ビニールを巻きつけ、風よけを作る。そして、8月7日赤いサルビアが「オメデトウ」の文字を作り、レイはお母さんに、満開のサルビアを見せることができた。9月には、お母さんも無事退院することができるのだった。